前文
われら、輝ける月面の地主らは、所有権と個人的発展のためのわれらの利己的な必要に基づき、ここに、完全なる自治のための全体構想を制定する。
われらは、高度に成長した個人からなる、強固で、博識を持った団体であって、われらが知るところの政府統治の無用性に対し、深い洞察力を有す。この知識を持って、われらは、自由とルナ・ウェイ(月の流儀)に向けたわれらの継続した発展の可能性を保障するため、この抜本的手段を講じる。
権利宣言
1. あなたは、あなた自身の心に従う権利を有します。人間としての尊厳と栄誉を求めて。言論や 信教、不動産管理、所有の自由、そして幸福を追求するために。
2. あなたは、以下に則り、自身の不動産を利用する権利を有します。
A. あなたは、あなたが選択したいかなる人物・生物に対しても、あなたの不動産を賃貸しすることができます。但し、借主は、この権利宣言を遵守しなければなりません。
B. あなたは、あなたが選択したいかなる人物・生物に対しても、あなたの不動産全体を、売 却、委託、あるいは遺産として譲渡する権利を有します。但し、不動産を取得した者は、取得後30日以内にLunar Embassy(リオ・ビスタ、カリフォルニア州、アメリカ合衆国)に所有権を登録しなければなりません。
C. あなたは、あなたの不動産を、最大10以内の範囲で再分割し、分割した不動産を、あなたが選択した人物、生物、企業に販売することができます。10を超える再分割は、現行の大使権契約に違反するものであり、罰として、所有権が剥奪されます。この場合、所有権に対する補償を求めることはできません。
3. あなたは、望ましくは月面の美観を損ねないよう、地下構造の建造物を建設する権利を有します。しかしながら、すでにある近隣環境の美観を損ねないかぎり、月の過酷な自然条件から居住する人間を保護するため、論理的必然性から着想され建設された完全な建造物を建設することができます。
憲法
第1条
地球の月は、不動産所有者らの投票による正式な政府が実現し、その機能を開始するまでの間、ある一人の人物、以下"Head Cheese"、によって暫定的に統治される。この資格は、要求されたものであって、獲得されたものではなく、要求されていないものではありえない。"Head Cheese"は、以下、永遠が終わるまで、デニス・M・ホープの名で知られる。本憲法、および本条文は、下院議員、上院議員、大統領、副大統領の選出に当たって、不動産所有者および居住者それぞれに各1票を与える、民主的プロセスの必要性を明確にするものである。本憲法/権利宣言の修正に際して、"Head Cheese"は、必ず助言を求められるものとし、彼の生命が続く間、最高位代表者として認められた地位にとどまる。初代不動産所有者として"Head Cheese"は月における唯一の認定された土地販売者であり続ける。
第2条
Head Cheeseおよび選挙によって選出された月政府の代議員は、人民の、人民のための、人民による政治を行うものとする。政府が負う責務は、月の市民が自信を持って自由と幸福を追求できるよう支援することである。「"Golden Rule"(大切な原則)」に則って、統治するものとする。すなわち、「自分がしてもらいたいように、他の人にしてあげなさい」ということ。
第3条
月の市民の民主的政府が実現するまで、"Head Cheese"は全知全能であり、幸福と民主的自由の追求を保証するため、必要に応じ憲法/権利宣言を修正することができる。Lunar Embassyは、月で問題が生じた場合、その解決にあたることが認められる。
第4条
Lunar Embassy(リオ・ビスタ、カリフォルニア州、アメリカ合衆国)から、特に許可が与えられた場合を除いて、何人も、営利目的の取引を生じさせるという明確な目的を持って、所有する不動産を再分割してはならない。本条文に違反した場合、前述の不動産の所有権は、直ちに剥奪されるものとする。
第5条
Lunar Embassy、あるいはその委任代理人、あるいは大使によって直接、あるいは間接的に販売された土地において、武器の使用は、これを認めない。月に武器を持ち込んだり、あるいは武器を持ち込ませた者は、その不動産に対する所有権を失い、地球に追放されるものとする。この場合、支払済みの代金、不動産、造成や改善などは、全てLunar Embassyに戻される。この規則に、一切の例外は認めない。作業、建設、調理などの道具類は、月居住者や月訪問者に対する武器として使用されない限り、道具類とみなす。
第6条
いかなる個人、企業、政府機関であっても、月を、探査用車両、電池、宇宙船、廃棄物など不用品の保管場所として使用した場合は、Lunar Embassyに対し、莫大な罰金を支払わなければならない。妥当と思われる期間以内に課せられた罰金を支払わない不動産所有者は、月から追放され、以後、月のいかなる部分についても、二度と訪問や利用ができないものとする。
第7条
唯一"Head Cheese"だけが、地主、生物、他の惑星政府あるいは宇宙存在に対し、宣戦を布告することができる。月政府も、この裁定に従わなければならない。
第8条
Head Cheeseによって、その権限が月政府に引き継がれるまで、Lunar Embassyは、月の全ての不動産の販売者であり、全交通についての認可、建築許可、税、必要な社会資本建設のための収入を生じさせる権限を有す。
結び
最初、1980年11月22日「月独立記念日」に、この文書を作成・署名し、その後、2000年9月27日に修正を加え、私、Dennis M Hope"Head Cheese"は、ここに、これを汝、我が忠臣に与える。